<レポート>6月19日(日) 第6回リスクマネジメント講習
6月19日 来週いっぱい続く雨予報を前にギリギリの曇り空の下・・・ ”山のプロ” 横堀勇さんをお迎えしました。
通常、横堀さんは夏の間にカナダの山々でツアーガイドをされていますが、今年は日本に滞在され、ピースボート(http://www.pb-kyuen.net/)を通じて震災ボランティアへ行く方々にファーストエイドの講習をされています。本日は同等の内容を間近で学ぶことができる貴重な機会となりました。
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「野外で病気や事故にあった時の考え方と対処法」
※まずは大切なポイントとキーワードを。写真を後日アップ予定!
とても大切な三箇条を順番に教えていただきました。
1) 状況の確認
2) 命に係わる重要器官の確認
3) 応急処置
1)状況の確認
自分の身の安全を確保、周囲の人々の身の安全を確保、傷病者の対応、の順番です。
負傷した人を前にしたら慌てて駆け寄りたくなります。しかし、その場所が安全なのか、周囲の状況を必ず確認しましょう。2人目以上の負傷者が出てしまい「状況が悪化」することを防ぎます。
例)建物が倒壊する可能性は?(山などで)負傷者のいるところまで辿り着くことは可能なのか?自分が助けようとするのと、助けを呼ぶのとどちらが効果的?
傷病者に出血がある場合、素手で触ることにより感染する可能性があります。必ずビニール手袋を着用しましょう。これも”自分の身の安全”の一環です。
※傷病者を救助しようとすることで、新たな被害が出る可能性がある場合、何もせずに救助を待つことが最善のケースもあります。
2)命に係わる重要器官の確認
意識・脊椎、呼吸・気道、脈・出血の3点をします。
■意識・脊椎損傷有無の確認:傷病者を揺らしたり、ポンポンと叩いたりするのではなく、「もしもし?!」といった大声での話しかけを勢いよく。「熟睡中に鳴る目覚まし時計」のイメージです。
■呼吸・気道の確認:鼻や口の前に手をあてる、メガネ等をかざしてみる(曇ったら呼吸があるとわかる)といった工夫をすることで容易に確認できます。
■脈・出血有無の確認:ご自身ののど仏の少し横のくぼみに手をあてて確認する練習ができます。手首のように体の末端は体調が悪化した状況では脈が弱くなるため確認は難しくなります。
大出血が発生する箇所は、半袖短パンを着た際に隠れる範囲内。破れにくい厚手のビニール手袋(台所用がオススメ)を装着し、一箇所ずつ触って手を見て、を繰り返して確認します。あちこち触りまくっては、出血箇所の特定が難しくなるので注意しましょう。
※上記3点に異常がある場合は「緊急事態」、すぐに119番や救命救急のプロを呼びましょう。
3)応急処置
上記重要器官に問題がなければ応急処置を行います。
■外力要因
出血:出血箇所を特定したら、手がプルプルするくらいの力で直接圧迫
皮膚の怪我:水で洗浄+消毒+保護
骨・筋肉の損傷:安定させる、冷やす
■内的要因
腹痛:食べたもの、排泄の有無・状況を確認、必要に応じて水分補給して安静に
※原因不明の腹痛、胸痛、梗塞の場合は「緊急事態」、すぐに119番や救命救急のプロを呼びましょう。
■環境要因
暑い:脱水症(水分補給は少しずつ。人間が吸収可能な水分は1L/時程度のため。)
熱射病(異常高体温+意識障害の場合)は「緊急事態」
寒い:震えるのは自発的な体温調整であり、正常の範囲。水分と食料補給と運動を。
軽低体温症は、震え+異常な精神状態になる(イライラする、返事をしない等)
重低体温症は(震えなし+意識なし)「緊急事態」
アレルギー:軽度〜中度、自発的に動ける状態で兆候を掴んだらすぐに避難
アナフェラキシーは「緊急事態」
※アナフェラキシーは、全身に広がるアレルギー反応。器官が腫れる→毛細血管が弛緩する→窒息する、という危険があります。
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横堀勇さんご紹介(ヤムナスカ:カナディアンロッキーガイド)
http://www.ymtours.com/guides_rockies/isamuyokobori.html
Wilderness Medical Associates
http://www.wildmed.com/
日本アウトワード・バウンド協会
http://www.obs-japan.org/course/wafa.html
※今年の秋には日本でウィルダーネス・ファーストエイドの資格取得が可能!
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アウトドアを楽しむ際に、災害時に、震災ボランティアへ行かれる際に、、、少しでも皆様のお役にたちますように。
reported by のりこ
通常、横堀さんは夏の間にカナダの山々でツアーガイドをされていますが、今年は日本に滞在され、ピースボート(http://www.pb-kyuen.net/)を通じて震災ボランティアへ行く方々にファーストエイドの講習をされています。本日は同等の内容を間近で学ぶことができる貴重な機会となりました。
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「野外で病気や事故にあった時の考え方と対処法」
※まずは大切なポイントとキーワードを。写真を後日アップ予定!
とても大切な三箇条を順番に教えていただきました。
1) 状況の確認
2) 命に係わる重要器官の確認
3) 応急処置
1)状況の確認
自分の身の安全を確保、周囲の人々の身の安全を確保、傷病者の対応、の順番です。
負傷した人を前にしたら慌てて駆け寄りたくなります。しかし、その場所が安全なのか、周囲の状況を必ず確認しましょう。2人目以上の負傷者が出てしまい「状況が悪化」することを防ぎます。
例)建物が倒壊する可能性は?(山などで)負傷者のいるところまで辿り着くことは可能なのか?自分が助けようとするのと、助けを呼ぶのとどちらが効果的?
傷病者に出血がある場合、素手で触ることにより感染する可能性があります。必ずビニール手袋を着用しましょう。これも”自分の身の安全”の一環です。
※傷病者を救助しようとすることで、新たな被害が出る可能性がある場合、何もせずに救助を待つことが最善のケースもあります。
2)命に係わる重要器官の確認
意識・脊椎、呼吸・気道、脈・出血の3点をします。
■意識・脊椎損傷有無の確認:傷病者を揺らしたり、ポンポンと叩いたりするのではなく、「もしもし?!」といった大声での話しかけを勢いよく。「熟睡中に鳴る目覚まし時計」のイメージです。
■呼吸・気道の確認:鼻や口の前に手をあてる、メガネ等をかざしてみる(曇ったら呼吸があるとわかる)といった工夫をすることで容易に確認できます。
■脈・出血有無の確認:ご自身ののど仏の少し横のくぼみに手をあてて確認する練習ができます。手首のように体の末端は体調が悪化した状況では脈が弱くなるため確認は難しくなります。
大出血が発生する箇所は、半袖短パンを着た際に隠れる範囲内。破れにくい厚手のビニール手袋(台所用がオススメ)を装着し、一箇所ずつ触って手を見て、を繰り返して確認します。あちこち触りまくっては、出血箇所の特定が難しくなるので注意しましょう。
※上記3点に異常がある場合は「緊急事態」、すぐに119番や救命救急のプロを呼びましょう。
3)応急処置
上記重要器官に問題がなければ応急処置を行います。
■外力要因
出血:出血箇所を特定したら、手がプルプルするくらいの力で直接圧迫
皮膚の怪我:水で洗浄+消毒+保護
骨・筋肉の損傷:安定させる、冷やす
■内的要因
腹痛:食べたもの、排泄の有無・状況を確認、必要に応じて水分補給して安静に
※原因不明の腹痛、胸痛、梗塞の場合は「緊急事態」、すぐに119番や救命救急のプロを呼びましょう。
■環境要因
暑い:脱水症(水分補給は少しずつ。人間が吸収可能な水分は1L/時程度のため。)
熱射病(異常高体温+意識障害の場合)は「緊急事態」
寒い:震えるのは自発的な体温調整であり、正常の範囲。水分と食料補給と運動を。
軽低体温症は、震え+異常な精神状態になる(イライラする、返事をしない等)
重低体温症は(震えなし+意識なし)「緊急事態」
アレルギー:軽度〜中度、自発的に動ける状態で兆候を掴んだらすぐに避難
アナフェラキシーは「緊急事態」
※アナフェラキシーは、全身に広がるアレルギー反応。器官が腫れる→毛細血管が弛緩する→窒息する、という危険があります。
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横堀勇さんご紹介(ヤムナスカ:カナディアンロッキーガイド)
http://www.ymtours.com/guides_rockies/isamuyokobori.html
Wilderness Medical Associates
http://www.wildmed.com/
日本アウトワード・バウンド協会
http://www.obs-japan.org/course/wafa.html
※今年の秋には日本でウィルダーネス・ファーストエイドの資格取得が可能!
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アウトドアを楽しむ際に、災害時に、震災ボランティアへ行かれる際に、、、少しでも皆様のお役にたちますように。
reported by のりこ
by piece_of_earth
| 2011-06-19 22:49
| レポート